別荘は「負」の資産になりやすい?その理由と資産価値を守るために後悔しないためのポイントを解説します
余暇を楽しむための魅力的な別荘。リモートワークなど働き方の多様化なども背景となり、別荘やセカンドハウスを持つ方が増えてきました。
ただ、一方で別荘を持つことが負担となり“負”の資産と化してしまうケースもあります。
今回は、別荘が負の資産に陥りやすい理由とともに、資産を維持するための別荘の選び方やチェックポイントなどを詳しくお伝えしていきます。
なぜ別荘は「負動産」になりやすいのか?
まずは、別荘が“負”の資産になりやすい理由について見ていきましょう。
☑立地によっては“需要”がないから
高度成長期からバブル期と言われた時代には、全国各地で“リゾート地”として大規模に行われた土地開発。大量の別荘が次々の建築されていました。
別荘地周辺は観光地として賑わい、別荘を所有したい人からの需要も多かったものです。
ブランド力の高い別荘地に別荘を持つことがステータスでした。
そんな別荘地も少子高齢化や人口減少、価値観の違いなどの背景から、昔と比べると賑わいはありません。立地によっては需要がなく、“負動産”となり「手放したい」と考えている所有者もいるようです。
☑維持費が高い
誰も住まなくても別荘には維持費が発生します。築年数や物件の規模、立地などでも異なりますが年間の負担を大きく感じてしまうケースも多いです。
関連記事:【別荘の維持費】南房総に別荘が欲しい!でも別荘にはどんな維持費がかかるの?維持費の内訳と負担をおさえるためのポイントを詳しくご紹介
☑管理不十分で建物が老朽化するリスクがある
別荘を買った後の管理状態によっては建物の老朽化が早まり、最終的に「価値が著しく下がる」というケースも少なくありません。
たとえ築年数が古くても、リフォームや修繕を適切なタイミングで行っていれば、それほど傷みが気になることもないでしょう。
でも、傷んだ状態を放置すると状態が一気に悪くなります。
たとえば、屋根や外壁などの不具合箇所から雨水が浸入し屋内に湿気が入り込むと、内装は傷み、建物の強度は落ちるリスクがあります。そんな状態で放置を続けると、いつしか倒壊による事故が起き、所有者が責任を問われるケースもあるのです。
基本的にふだんは空き家となる別荘ですが、管理をしっかりすることで長く愛せる別荘となります。利用頻度も少なく、管理状況が悪くなると、建物がどんどん傷みます。
☑資産価値が低く、相続時にトラブルとなるケースも
別荘だけでなく、あらゆる不動産は、所有者が亡くなれば相続の対象です。
訪れやすい立地の別荘なら「別荘として」「リモートワークの場所として」「避暑地として」といった活用方法が期待できますが、都市部から離れて往復に時間がかかると“誰も相続したがらない”というケースもあります。
さらに、所有者だった人がメンテナンスを怠り老朽化した物件を受け継いでも、「利用するにはリフォーム費用が必要」「資産価値がほぼなく売却困難」といった、まさに“負の遺産”となることもあります。
資産価値が維持・向上しやすい別荘の条件
資産価値の維持や向上しやすい別荘の条件とは何なのでしょうか。
☑首都圏からもアクセスが良いエリアにある
都市部からのアクセスの良さも資産価値の維持や向上につながります。
不動産の価値は交通面も重視されることが多く、「駅に近く公共交通機関が利用しやすい」「高速道路のインターチェンジから近い」など交通アクセスが良好だと資産価値も下がりづらい傾向です。
将来的に売却をしなければならないときも需要のなさに困ることもないでしょう。
☑年中過ごしやすい気候
昔は別荘と言えば、夏に涼しい“避暑地”が人気でしたが、最近では「夏に過ごす」よりも、定期的に行きやすい「セカンドハウス」としての利用が人気です。
夏に涼しい気候も魅力的ではありますが、言い換えれば冬に寒く過ごしづらいケースもあります。
年間を通して温暖な気候の立地なら、別荘やセカンドハウスとしてはもちろん、移住地として人口減となる可能性も少なく、資産価値の下落が起こりづらい傾向です。
☑住宅としても活用できるエリア
完全なる別荘地の場合、「別荘を持ちたい」という人にしか需要がありません。
ところが、別荘だけでなく、一般的な住宅も多いエリアなら、さまざまな人からの需要が見込めます。
周辺が森に囲まれて閑散としているよりも、スーパーや病院、学校など生活に必要な施設が整っている環境、それでいて適度に自然に近い別荘・セカンドハウスは資産価値が下がりづらいでしょう。
☑流行に左右されづらい外観・間取り
普遍的な価値を保つには、流行に左右されないデザインや多くの人に受け入れやすい間取りです。派手なデザインや個性的過ぎる空間は、飽きが来ることも…。いざ、売却しようとしても使う人を限定してしまい売れづらくなります。
☑手入れがきちんとされている物件
資産価値を維持・向上できる大きなポイントが「建物が劣化していないこと」です。いくら好立地にあっても、外観も内部もボロボロでは建物としての価値が見いだせなくなります。
資産価値を保つには、定期的に建物の状況をチェックしてメンテナンスを怠らないことがポイントです。
別荘やセカンドハウスの場合、毎日のように人が住むわけではなく、建物に起こった傷みや不具合に気づきにくいもの。劣化が進んでから直そうと思ってもリフォーム・修繕費用が嵩んでしまうことがあります。
資産価値を下げないためにも定期的にメンテナンスを行うことが大事です。
資産価値を上げる別荘の選び方:後悔しないためのチェックリスト
次は、資産価値を保てる、あるいは上げることができる別荘の選び方でチェックしておきたいポイントをご紹介していきます。
チェックポイント①:立地の良さ
活気があって人の流れが多い立地は資産価値が向上する可能性が高いです。
別荘地として変わらず需要の高いエリア、観光地や移住地として賑わっている好立地の別荘は資産価値が下がりづらいでしょう。
特に、近年は都市部から近い距離感で自然に触れ合える立地が人気となっています。周辺環境にも目を向けたいところです。
別荘として過ごす、セカンドハウスとして過ごす…など使い方は人それぞれですよね。どちらにしても、利便性を重視した環境選びが大切です。
チェックポイント②:別荘への“行きやすさ”
別荘を選ぶときに重視したいのは、行きやすさです。
首都圏から比較的近い立地の場合、アクセス方法が多彩です。公共交通機関や道路環境も良いので、電車でも自家用車でも行きやすいのが魅力ではないでしょうか。
別荘への移動がスムーズであるほどに利用頻度も高まり、結果的に老朽化をおさえることにもつながるでしょう。
チェックポイント③:ランニングコストをシミュレーション
別荘を買う際には、維持管理するためのランニングコストをシミュレーションしておくことが大事です。
購入時は「物件の価格」を重視しがちですが、別荘を所有していくうえで水道光熱費や税金関連の支出は必要になります。戸建てなら、屋根や外壁の塗装費用やお庭のメンテナンスなどもしなければなりません。
維持管理費用が捻出できずに手放すことがないように、事前にある程度シミュレーションしておくことをおすすめします。
チェックポイント④:現時点での使い方や将来的にどうするか
昔は別荘と言えば“お金持ち”のイメージもありましたが、今は考え方が多様化。「週末に暮らすセカンドハウス」としてコンパクトなデザイン・間取りの建物を購入したり、「定年後の終の棲家」といった目的で別荘を買う方も増えてきました。
たとえば、リモートワークで過ごしたい、趣味を楽しむセカンドハウスにしたいなどの場合は、生活しやすい間取りを選ぶことがポイントです。
自分や家族だけでなく、親戚や友人達を招きたいという希望があれば、少し広めの間取りやお庭、駐車場があると便利に使えるでしょう。
また、将来的にどうしたいかも考えておくことが大切です。いずれ終の棲家にしたいと考えているときは、高齢になったときも住みやすい物件がいいでしょう。そういったケースでは、バリアフリーの観点からも平屋が好まれている傾向です。
最終的に売却を考えているケースでも資産価値を下げないための物件選びがおすすめです。
近年は、子供のために郊外へと移住する方も増えているため、将来的に売却を考えているときもファミリー向けの間取りは資産価値を下げることはないでしょう。
所有中の別荘の資産価値を高める維持・活用術
所有している別荘の資産価値を高められるような維持方法や活用術を具体的に見ていきましょう。
☑“空き家”の期間を避け、積極的に利用する
利用頻度に関わらず、別荘は大切な資産です。誰も使わない期間が長引くと手入れも行き届きにくくなります。換気されなく湿気が溜まり、そのうち害虫が発生することもあります。
別荘やセカンドハウスを所有したら、できるだけ定期的に訪れることが大事です。「別荘に行くこと」が実質的な管理にもなり、不具合や修繕が必要な箇所にも目が向き、ご自身の大切な資産としての愛着も高まるでしょう。
☑セキュリティ対策も考えておく
別荘やセカンドハウスは所有者の目が届きにくいことから、不法侵入などの犯罪に巻き込まれるリスクがあります。そこでセキュリティ対策も重要です。
たとえば、人通りや街灯が少ない立地はセンサーライトも効果があります。監視カメラも効果的です。センサーライトや監視カメラを屋外に設置することで、不審者も警戒します。
「セキュリティ対策がしっかりしている物件」として、周囲にアピールするのもポイントです。
セキュリティ対策を怠り、何らかの犯罪に巻き込まれると資産価値も下がるので注意しましょう。場合によっては、管理サービスの利用もおすすめです。
☑状況に合わせてリフォームも行う
年数の経過とともに、外観・内装・設備は残念ながら劣化します。「雨漏りしたから補修しよう」「壊れたから直そう」と状況が悪化してしまってからの補修は大がかりになるケースも少なくありません。
資産価値を維持するには、古くなってきたタイミングで適切なリフォームをし“新しさ”をプラスしていくのがおすすめです。
まとめ
アウトドアやリラックス空間など非日常を叶えてくれる別荘ですが、選び方や使い方によっては“負”の資産になることがあります。
後悔しないためには、別荘を買う時点で「資産価値を下げないためのポイント」を理解しておくことが重要です。特に、立地選びは慎重に行いましょう。
立地環境が悪く訪れる頻度が少なくなるほど、空き家期間が長引き建物が傷みます。外観の劣化や雑草などが生い茂り、資産価値が急激に低下というケースもあるでしょう。
夢の別荘を“負動産”にしないように、購入時には立地環境や使い方をイメージしながら選ぶことが大事です。
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