不動産購入の諸費用まるわかり!節約ポイントも解説!
家を購入する際、不動産情報を見て物件価格を見て検討する方も多いのではないでしょうか。でも実際には「土地・建物」という物件価格だけでなく、さまざまな“諸費用”が必要です。
契約のときに必要な現金もあり、「知らなかった…」と資金の捻出に困るケースもあるかもしれません。不動産購入時には、あらかじめどんな費用が必要かを予算に組み込んでおくことが大事です。
そこで今回は、不動産購入時の諸費用について詳しくお伝えしていきます。
【不動産購入にかかる諸費用の全体像】
「購入する物件価格」や「住宅ローンの利用の有無」によって金額は異なるものの、不動産購入では必要なのが「諸費用」です。
諸費用の内容を知らずに購入を決めると、その額に慌てることもあるため、全体像としておさえておくと安心です。
それぞれの状況によって違いますが全体的な諸費用のイメージは、
・新築⇒物件価格×3%~7%
・中古⇒物件価格×5~10%
です。
たとえば「3000万円の中古住宅を買った」というケースなら、150~300万円くらいの諸費用が必要になる可能性も想定しておきましょう。
また、基本的に諸費用はまとめて払うわけではないため、それぞれの支払い時期に合わせて現金で準備しなければなりません。
いざ支払うタイミングになったときに「用意できない」と慌てないように、「何の費用をいつ支払うか」と全体像を掴んでおくことが大切です。
【売買契約時と購入時に発生する諸費用とその内訳】
まずは、物件の売買契約を結んだとき、そして購入したときに発生する諸費用について見ていきましょう。
◇ 印紙税
印紙税は、売買契約書に添付して納める税金です。契約書に記載される売買価格ごとに印紙税の金額が細かく分けられます。
印紙税の額を一部ご紹介すると、
・500万円を超えて1000万円以下⇒5000円
・1000万円を超えて5000万円以下⇒1万円
・5000万円を超えて1億円以下⇒3万円
です。
※不動産売買契約書には軽減税率があり、上記は軽減された税額です(令和6年3月31日まで有効)
◇ 仲介手数料
中古住宅のように不動産会社を介して購入すると、不動産会社に払う「仲介手数料」が必要です。法律により仲介手数料の上限が決まっているため、物件価格から予想しておくことが可能です。
売買契約のときに、仲介手数料の金額と支払うタイミング(一般的には2回に分けての支払い)を確認しておきましょう。
◇ 手付金
中古住宅購入の場合、売買契約時に手付金を支払うケースもあります。
手付金は物件価格の一部ですから、最終的には手付金を差し引いた金額を引き渡し時に支払います。
手付金の目安は物件価格のおよそ5~10%です。
たとえば、2000万円の不動産なら、150~200万円ほどを手付金として前払いすることに。手付金の金額や支払い方法は、不動産会社によって異なるので事前に確認しておきましょう。
金額としては結構大きいものの、売買契約前ですから住宅ローンの活用ができません。不動産会社に確認のうえ、売買契約間近で慌てないように用意しておくことをおすすめします。
◇ 登記関連の費用
登記関連費用として「登録免許税」と「司法書士への報酬」がかかります。
住宅を購入すると、自分が所有者で権利を持っていることを公に提示する「登記」が必要になります。
新築住宅を建てた場合は「所有権保存登記」ですが、中古住宅を購入した場合は「所有権移転登記」。移転登記とは、前の所有者から名義変更する登記です。
これらの登記手続きは自分でも行うことはできますが、慣れていないと難しくスムーズに進みません。司法書士に依頼するケースが一般的です。
登記を依頼した場合は「登録免許税」と「司法書士への報酬」がかかります。登録免許税は物件ごとに違いますが、司法書士への報酬は5~10万円くらいが目安です。
【住宅ローンを利用した場合の諸費用】
次は、住宅ローンを使って不動産を購入する場合の諸費用を見ていきましょう。
◇ 契約時の印紙税
借入金額に応じた金額の印紙を住宅ローンの契約書に貼って印紙税を納めます。
・500万円を超えて1000万円以下⇒1万円
・1000万円を超えて5000万円以下⇒2万円
・5000万円を超えて1億円以下⇒6万円
です。
◇ 融資手数料
住宅ローンを借りる際、住宅ローンの契約をしなければなりません。
その手続きの事務手数料として支払うのが融資手数料で、借入金額や金融機関で金額は違います。
借入金額にかかわらず3~6万円程度という定額型や、借入金額の2%程度というように借入金額に割合をかけた定率型があります。
◇ ローン保証料
住宅ローン関連の諸費用のなかでも大きな金額となるのがローン保証料です。
ローン保証料は保証会社に払うもので、「毎月の返済が滞ったときに保証会社が契約者に代わって金融機関に残債を支払う制度」のための手数料になります。
金融機関によって支払い方法はさまざまですが、ローン契約時に一括で保証料を支払うケースもあれば、金利に含まれているケースもあります。
保証料が少なくてお得と思っていたら、金利が高くてトータルで見るとそれほど安くない可能性もあるので注意が必要です。
◇ 登記費用
住宅ローンを使う場合、物件を担保に住宅ローンを利用するケースでは、「抵当権設定登記」も必要です。通常は司法書士などの専門家に依頼して代行してもらうケースが多いです。
借入金額に応じた登録免許税と書類取得費などに加え、司法書士へ5~10万円ほどの報酬を支払います。一般的には、金融機関や不動産会社を通じて司法書士へ依頼することが多いでしょう。
◇ 火災保険・地震保険への加入
住宅ローンを利用する際は火災保険への加入が条件となっているケースが多いです。
担保になった不動産が自然災害に遭うと、建物の補修をしなければならないだけでなく、返済も続けなければなりません。火災や地震など大きな災害になると建物の被害も大きく、住むところもないうえ、返済が厳しい状況が続くことになります。火災・地震保険は、住まいにとってとても大切な意味を持つものです。
火災保険は自分で選ぶこともできますし、金融機関から提案されたプランに加入することもできます。
【入居後に必要となる諸費用】
不動産の引き渡しが終わるとホッと一安心ですが、入居してからも支払う費用があります。
◇ 不動産取得税
不動産を取得したことにより、1度だけ課せられるのが不動産取得税です。購入した不動産の固定資産税評価額をベースにして基本的な税率で算出された税額を支払うことになります。
不動産取得税の通知はしばらく経ってから届きます。忘れた頃に通知が届くため、急な出費で慌てるケースもあるようです。
不動産取得税は「固定資産税評価額×税率」で計算されることから高額になりがちですが、土地や建物に関する軽減措置が適用される条件をクリアできれば税額をかなり下げられます。
たとえば、固定資産税評価額よりも控除額が上回っているケースなら不動産取得税は課税されないことになるのです。
◇ 固定資産税
毎年1月1日に所有している不動産に対し、課せられるのが固定資産税や都市計画税です。
・新築か中古住宅か
・土地面積や建物の床面積
・軽減措置が受けられるかどうか
などによっても税額は変わります。
固定資産税は毎年かかるものですから、毎年捻出できるように支払い計画を立てておきましょう。
【諸費用を節約するための方法】
さまざまな諸費用がありますが、トータルすると結構大きな額になります。少しでも安くするための方法がいくつかご紹介しますので、ぜひご参考ください。
◇ 住宅ローンはいくつか比較検討する
住宅ローンの諸費用ですが、金融機関によって内容が変わります。いくつかの金融機関を比較し、支払う諸費用の内訳と費用感をあらかじめシミュレーションすることが大事です。
「融資手数料が安くても保証料が高い」「融資手数料は高いが保証料が少ない」など、どちらのケースなってもひとつひとつの金額だけで比較するのではなく、全体像を掴んで諸費用の計画を立てることで節約にもつながります。
◇ 軽減措置について調べておく
税金関連の諸費用は、軽減措置を利用できれば結構支出をおさえられます。
軽減措置が使えるのにもかかわらず、手続きをしなかったばかりに結構な金額の支払いをするのももったいないですよね。税金関係については、国や自治体のホームページに詳細が記載されているので調べておくことをおすすめします。
また、不動産取得税や固定資産税は自治体の管轄になるので、不明な点があったら役所に直接問い合わせてみるといいでしょう。
◇ 火災保険は一括支払いで安くなる
火災保険は、分割で毎月、もしくは毎年…という払い方よりも、長期契約の“一括払い”の方がトータルで安くなります。
かつては最長10年だった火災保険も、2022年の改定により最長で5年契約となりました。
火災保険の保険料は、建物の築年数や構造、地域、補償内容などによって大きく変わりますが、割引率を重視するなら5年の長期契約がおすすめです。
【まとめ】
今回は、不動産購入の諸費用の全貌をお伝えしました。
物件の価格に加えて、これらの諸費用の支払いもしなければならないので予算を立てるときに計画しておきましょう。
ただ、諸費用の金額は、買う不動産や借り入れる金額などでだいぶ異なります。事前に正確な金額を把握するのは難しいですが、大まかなイメージとして「どんな費用がかかるか」だけでもおさえておくことをおすすめします。
また、税金等は軽減措置で安くもできるため、節約ポイントもおさえておきましょう。