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21歳で、大好きな金谷に移住。心が豊かになる暮らし

【「おふくろ」店主 益本ひとみさん】

<ご紹介するのはこんな方>

益本ひとみさん(30代)
富津市金谷在住
家族構成 単身
以前の居住地 東京都江戸川区
移住スタイル : 定住

益本ひとみさんは、田舎暮らしに憧れていたわけではありません。彼女が金谷へ移住した理由は、純粋に金谷が好きだから。益本さんの「好き」がたくさん詰まった金谷で暮らすために、彼女がとった行動についてお聞きしました。

2拠点生活をスタートした中学生

益本さんの祖父母が暮らす富津市金谷は、久里浜と金谷を結ぶ東京湾フェリーが運航している港町です。都内で暮らしていたとき満員電車の車内にいる大人たちを見て、「豊かさの基準はお金なんだろうなっていうことしか見えなくて。そのお金のために毎日死に物狂いで、死んだ顔しながら走り回っている大人を見て、こういう世界だったら未来に希望はないし、楽しいと思えない」と、当時思ったことを話してくれました。お金で物を買っては捨て、買っては捨てを一生やっていくのが合わないと思った益本さんは、違う世界を望んでいました。

【手作りのレモン・シナモン・シュガー漬けドリンクを淹れる現在の益本さん)】

【手作りのレモン・シナモン・シュガー漬けドリンクを淹れる現在の益本さん)】

一人で電車移動ができるようになった中学生のころから、金曜日の部活が終わるとそのまま金谷へ向かい、週末は金谷の祖父母宅で過ごしてから都内へ帰るほど、金谷での暮らしに惹かれていました。

「私は東京じゃなくて、この町に住みたいなと思っていました。子どもって、親があって生きているけど、おじいちゃんおばあちゃんを当てに生きていくのは違うなと思って、大人になってから金谷に引っ越そうと思った。30歳とか、ある程度の年齢になってからと思っていました」

21歳で移住したものの

【益本さんが大好きな金谷の海と夕焼け】

【益本さんが大好きな金谷の海と夕焼け】

益本さんは金谷にある行きつけの店に行くたびに、「金谷に引っ越したい」とずっと言っていたそうです。当時、支店を出そうとしていた店のオーナーに、「支店がオープンしたら仕事があるよ」と声をかけられます。「とりあえず仕事があれば、生きていけるかな」と思い、仕事はするけど家まではハードルが高いため、一緒に住みたいと祖父母に相談。快諾してくれたお陰で、益本さんの念願だった金谷での生活がはじまりました。

金谷から職場がある保田までの海沿いを車で走りながら、幸せを感じていた益本さんは当時、未来のことは何も考えていませんでした。

「やりたいことがあって来たわけじゃなくて、金谷が好きで声をかけてもらって、オーナー夫婦が好きだったから来たので、先のことを考えていなくて。でも、このままずっとおじいちゃんおばあちゃんちに居座るのも違うなと思って、自立をしたいと思いました」

「バイトで自立するのは難しい」と思い、都内でネイリストをしていた経験をいかして、自分で仕事をしようと決意。開業して自宅サロンをはじめますが、それだけでは生計を立てるのが難しく、アルバイトをかけもちしていました。ネイリストとして自立するために、金谷よりも人口の多い君津市に家を借り、ネイルサロンを移転。深夜や早朝のバイトをこなしながら少しずつ顧客を増やし、最終的にネイリスト一本で生活ができるようになりました。

再び金谷へ

縁あって金谷の家を購入することになり、再び金谷へと戻ったとき、益本さんは24歳でした。

【仲間と改修した自宅】

【仲間と改修した自宅】

未来のことを何も考えず、金谷に住みたいという想いだけでスタートした金谷暮らしから9年。今は、「50年後も、金谷で生きていける世界がいい」と考えています。未来も自分がここで生きていけるように、金谷の人たちの交流拠点として「おふくろ」を立ち上げました。

【土地の整備から建設まで、益本さんが積極的に関わって造った「おふくろ」】

【土地の整備から建設まで、益本さんが積極的に関わって造った「おふくろ」】

現在は飲食店として営業していますが、これから「金谷の衰退をストップできることを、もっと大規模でやっていきたい」と益本さんは話します。

非日常が日常に

【地域の人たちとの米作り】

【地域の人たちとの米作り】

30歳になった益本さんは、「金谷に居る時間が圧倒的に増えたから、自分の好きな空間にいられて幸せ度が増しました」と、今の状況について話します。ただ、生活の場と仕事の場が全て金谷になったことで、「非日常を感じていた場所が日常になりはじめて、スローペースを感じていた場所が全然スローじゃなくなった」とも言います。

お盆になると、地元の人は家族と静かに過ごしています。益本さんも昔は、祖母の家でお盆を感じながら過ごしていましたが、今は都心の人たちが店に来る仕事の日になっています。それでも、「幸せだなって感じる瞬間が毎日のなかにあるから、合ってますよね。私はそういう生活の方がいいなって思う」と納得している様子。

「疲れ果てているとき、散歩をしている近所のおばあちゃんにおつかれさまって言われると安心感があります」と、地域の人たちに見守られ、助けられていることを実感しているようです。

なんでも受け入れられたら、楽しく生きられる

田舎暮らしを考えている人にアドバイスをお願いすると、「田舎暮らしがしたくて来たわけじゃないから、ずれてるかもしれないけど」という前置きをして話してくれました。

「田舎暮らしに関係なく、自分のなかの都心での常識と違うことってたくさんある。結局、最後は対人で苦しむ人もたくさんいるじゃないですか。でも否定しだすと自分が苦しくなるから、なんでも“そんなもん”て思えたらすごく豊かに生きていけると思います」

そんな益本さんのお気に入りの場所は、海と夕日が見られる防波堤。波の音を聞きながらぼーっとする時間は、大切なリフレッシュの時間です。

「この10年いろいろあったけど、変わらず波は行ったり来たりするし、変わらずこの方向に夕日は沈むし、地球規模で考えたら大したことないな私って思うために、ここに来ます」

インタビューを終えて…

20代の益本さんの努力と行動力に感心しましたが、迎えたばかりの30代を金谷でどう過ごすのか、彼女の居場所である「おふくろ」がどう育っていくのか、今後も楽しみでなりません。金谷に興味がある人は、おふくろに行って情報収集してみるのもいいかもしれません。

おふくろ
https://www.instagram.com/ofukuro_kanaya/

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