別荘購入の時期はいつ?年齢や年収から考える“別荘”という不動産を購入する時期や背景を詳しく解説
これまでは別荘と言えば富裕層の方が持つ別宅…というイメージが強かったものですが、今では「セカンドハウス」という言葉も登場し、自宅とは別に不動産を購入するのは昔よりも身近となってきました。
しかしながら、不動産購入は「何となく欲しい」という簡単な考えで買えるものでもありません。一般的な家と違って、購入のタイミングも掴めないものですよね。
皆さんはどんなタイミングで別荘・セカンドハウスの購入をしているのでしょうか。
そこで、実際の別荘購入の方々の経験をふまえて、別荘購入の時期について詳しくご紹介していきます。
1.ライフイベント、生活スタイルから考える不動産の購入タイミング
さまざまなライフイベントの背景にある、ご自身の考え方に何らかの変化がおき、「別荘を買いたい」と不動産を買う方が多いです。
① 子供との思い出を作りたい
子供と共に、旅行やアウトドアの楽しみをしたいと考える親御さんは多いかと思います。
ただ、仕事が忙しくて前もって予定を立てることが難しいケースもあるでしょう。突然休みが取れてもホテルの予約が取れないこともあるかもしれません。
「いつでも好きなタイミングで泊まれるように」という思いで、子供や家族と過ごすために別荘を買う方もいらっしゃいます。
別荘は、海や山など自然に触れあえるエリアに建っているという特徴があります。都会ではできない経験がたくさんできるでしょう。
釣りや登山、キャンプ、ゴルフ、バーベキュー、水泳やサーフィン…。
豊富な自然に佇む別荘なら、たくさんのアクティビティに触れ合えます。1日楽しんだ後には、別荘に戻って家族だけの時間を過ごすことが可能。周囲の環境にもよりますが、場合によっては別荘の庭先で星空を眺めることもできます。
子供にとっても親にとってもかけがえのない時間が刻めそうです。
親子揃ってたくさんの時間を共有できることは、子供の健やかな成長にもプラスになります。自分が所有する別荘なら、子供が騒いでも気兼ねなく休日を楽しめるでしょう。
② ペットを飼った
ペットとゆっくり外出したく別荘を買う方もいます。
自己所有の別荘があれば、ペットと共にたくさんの思い出を作ることができます。
ペットと出かけるときは大荷物も、別荘ならいつも置いておくことも可能。出かける前の準備も減らせます。
ペットと泊まれる宿や、ペット可の貸別荘という宿泊方法もありますが、「見知らぬホテル」で過ごすのはペットが不安になることも。通い慣れた自己所有の別荘の方が安心して過ごしてくれるでしょう。
特に、大型犬の場合は、敷地や間取りが広い別荘なら伸び伸び過ごせるでしょう。敷地が広ければ、愛犬専用のドッグランもできるかもしれません。大喜びしているワンちゃんの姿を見るのは、飼い主さんにとって幸せな時間です。
③ 仕事でリモートワークが増えた
この数年の間、コロナの影響で私たちの暮らしも多様化しました。
そのひとつが“働き方”に関するもの。
以前のように「毎朝会社に行って仕事をする」というスタイルだけでなく、職種によっては日本全国どこにいても仕事ができる時代となりました。そこで、休日と仕事の切り替えをしやすいように、海や山など自然環境にセカンドハウスを購入して二拠点生活を送る方も増えています。
訪れる頻度が多い“セカンドハウス”という認定を受けられれば、別荘として使うよりも税制面で優遇される魅力もあります。
④ 子育てがひと段落、第二の人生を計画中
子供から手が離れたとき、これからは夫婦2人の時間を過ごしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あちこち旅行に行くのも楽しいですが、都市部では難しい、ゆったりした暮らしを望む方もいるでしょう。
終の棲家として郊外に移住するための別荘を購入、スローライフを送りたいという方も増えています。
定年まではまだ先だけれど、その間は時々訪れるセカンドハウスとして、そして仕事を退職したら本格的に終の棲家として活用する方もいらっしゃいます。
2.年齢と年収から考える不動産の購入タイミング
次は、年齢や年収などをもとに別荘を買う時期を考えてみましょう。
① 年収が増えた
昇任して役職が上がる、給与が高くなった、ビジネスや資産運用で成功したなど、収入が増えた時期に別荘を買う方もいます。
一般的な住宅と同様のことが言えますが、不動産購入には年齢や年収も大きく関係するものです。
「ふだん暮らす家」の他に別荘を購入する場合、無理は禁物です。年齢が若かったり年収が低かったりすれば、“別荘”という不動産を無理して買うと生活が厳しくなるだけでしょう。
年齢的には30代40代と給料が増える時期なら、別荘を購入することもできそうです。
人によっては若くても起業や資産運用で収入が増えることもあり、別荘を買うのは難しいわけではないでしょう。
また、子供がある程度落ち着いてきたので夫婦2人で働き、世帯全体の収入が増えたときも、別荘購入の時期のひとつにできるかもしれません。
② シニアと言える年代に差し掛かってきた
定年間際になってくると、老後の暮らしを真剣に考える時期でしょう。持ち家がある方も、終活の一環として「売却して引っ越す」と住み替えを希望するケースも実は多いです。
ただ、突然移住するのは不安ですよね。
少し早めに別荘を購入し、頻繁に行き来しながら慣らし、定年後に本格的に移住するという方も増えています。
3.住宅ローンや金利面の影響から考える不動産の購入タイミング
次に、ローン関係の影響もふまえて、別荘の購入時期を見てみましょう。
① セカンドハウスローンを組めるケース
別荘購入をするには、
・現金で買う
・銀行から融資を受ける
の2択です。
そもそも「住宅ローン」は居住目的ですから、別荘購入には利用できません。別荘やセカンドハウス購入なら、セカンドハウスローンという専用のローンを組むことになります。
金融機関によって異なるものの、セカンドハウスローンの場合、「高い金利」「審査の厳しさ」がネックになると言われています。セカンドハウスローンの審査に通過できれば、融資自体は受けることが可能です。
ただ、現在住宅ローンを返済中の方は、「ローンが重複した際に支払いを続けられそうか」とシミュレーションしておくことも重要です。年収によってはセカンドハウスローン審査に通らないこともあるでしょう。
そこで、セカンドハウスにも使える「フラット35」という住宅ローンも選択肢になります。
セカンドハウスローンの高い金利と比べると金利が低めに設定されています。別荘のほかに住宅を所有していることや、安定した収入などの利用条件にあえば、フラット35を使った不動産購入が可能です。
② 住宅ローンの支払いに目途がついてきた
・子供が巣立って教育費が不要になった
・繰り上げ返済で住宅ローンが早く終わりそう
など、セカンドローンと住宅ローンの重複する時期がなくなれば、別荘も買いやすいのかもしれません。
特に、定年が近く、退職金を受けられる時期なら、別荘も買いやすいのではないでしょうか。
4.別荘購入時に考えておくべきポイント
収入や年齢、ライフスタイルなどによって、「別荘を買いたいな…」という希望を実現できる時期もやってくるでしょう。そんなときに、慎重に考えておきたいポイントをいくつかご紹介します。
① 使える別荘”を買おう
別荘を買って失敗した…という方の中には、別荘を使わなくなったというケースもよくあります。別荘のエリアを決める際、今住んでいる場所からの移動距離・移動方法をしっかりと考えることが大事です。
往復時間が長い、交通手段が複雑(乗り換えなど)という別荘地の場合、利用頻度が減ってしまいます。
都市部在住の多くの方は、やはり“アクセスの良さ”を重視した別荘地選びをしています。利用しやすいのはもちろんですが、資産価値としても安定しているからです。
いずれ「売却を…」と考えた場合でも、各方面からのアクセスの良さがあれば売りやすい物件になるでしょう。
② 別荘の形態は…新築or中古、戸建てorマンション?
別荘には、
・新築か、それとも中古か
・戸建てか、それともマンションか
など、さまざまな選択肢があります。
土地を買って別荘を新築する…という方法もあるものの、やはり大きなお金が必要になるでしょう。築年数にもよりますが、中古なら購入コストをおさえることが可能です。
また、「戸建て」「マンション」のどちらにするかも悩みどころかもしれません。海に近い別荘地に建っているマンションなら、部屋から見える景色が魅力です。開放感があり、窓をあけたときに注ぎ込む風が気持ち良いでしょう。
バルコニーからは青い海、夕方になると空が赤く染まる景色もマンションタイプの別荘の特徴です。マンションタイプならオートロックで防犯性も高く、管理面が充実しているのも魅力になります。
「中古+戸建て」の別荘も人気です。
防犯面はマンションタイプよりも劣りますが、間取りが広めで庭もあり、プライベート感が満載です。別荘でお子様やペットと過ごしたいときは、戸建の別荘の方が利用しやすいかもしれません。
近年は別荘の需要も高く、お気に入りのエリアで理想の中古物件が見つかるケースも増えています。現状によってはリフォームも必要になるかもしれませんが、別荘でどんな過ごし方をしたいか考えて計画するのも楽しみにできそうですね。
③ 別荘の管理面のシミュレーションを
別荘を買った後、固定資産税や維持管理のお金が必要になってきます。それに加えて、草刈りや掃除、カビ対策、建物のメンテナンスも必要です。
・購入したらどんな維持費が必要か
・清掃や修繕などはどのくらいのスパンでするかなど、おおまかでもよいので計画を立てておきましょう。
④ 別荘がある地元に精通した不動産会社から買う
「このエリアに別荘を買いたい」というエリア定めができたら、別荘が存在するエリアに精通した地元の不動産会社に相談することが大事です。地元で長年の歴史があれば、物件の良さをきちんと伝えてくれるからです。
中古の場合、立地が気に入る一方で、築年数や間取りなどご希望に完全にマッチする物件は見つかりにくいかもしれません。
ただ、地元に精通している不動産会社なら物件が豊富。できるかぎり希望に近い別荘を紹介してくれます。
別荘購入はふだん住む一般的な家とは違う面が多く、疑問や不安が多いものです。別荘やセカンドハウスを多く取り扱っている不動産会社なら、これまでの経験からさまざまなアドバイスをしてくれるでしょう。
5.まとめ
別荘やセカンドハウスは、一般的な住宅と違って「今買わなければ…!」という決め手に欠けるかもしれません。ただ、ライフスタイルの変化によって「子供のため・ペットのため」「収入が増えたから」などを背景に別荘購入を決めている人が多いです。
昔よりも「別荘」という響きは身近になってきています。
海や山の近くなら、家族や友達と一緒にたくさんの楽しみを見つけられるでしょう。