別荘の場所選びで大切なこととは?購入前に知っておくべきポイントやエリア別おすすめ別荘地を紹介します
優雅な響きのある“別荘”。綺麗な景色に包まれながら、日常的な疲れを癒してくれるようなイメージがありますよね。
そんな別荘への憧れや期待がある一方で、場所選びに悩み過ぎて購入まで踏み切れない方も多いかもしれません。
日本では数多くの別荘地が存在し、場所ごとに特色が異なります。人気の別荘地は人を惹きつける魅力が多彩ですが、別荘に求める目的によっては「向き・不向き」もあるでしょう。
「綺麗な景色を見て心をリフレッシュさせたい」「都会ではできないアクティビティを楽しみたい」など人によって別荘に抱く理想は異なるものです。自分に合った場所選びをしないと、別荘購入を失敗に感じる可能性もあります。
そこで、今回は別荘を選ぶうえで大切にしておきたいポイントをはじめ、エリア別のおすすめ別荘地を詳しくお伝えしていきます。
別荘選びで重要なポイント
金額的にはマイホームと同様に“大きな買い物”となることから、失敗しないようにポイントをおさえておくことがコツです。
◆ 資金計画をしっかりと練ること
別荘を買うときに大切なのが資金計画です。
購入費用は、エリアや間取り、築年数などで大きく変わります。不動産情報を見ていて真っ先に物件価格が目に入りますよね。ご自分の予算の範囲内にあると、「このくらいなら買えそう」と思うかもしれません。ただ、今後の維持管理における費用も忘れずに資金計画を考えたうえで決断することが大事です。
購入時には、物件価格のほか、印紙税や登記関連費用、仲介手数料などの諸費用がかかります。
その後、住み始めてからは、不動産取得税や固定資産税、火災保険料、また草刈り費用や修繕費用といった維持管理費が必要になってくることもあります。
購入前には、どんな費用がどのタイミングで支払うのか、長期的な視点で資金計画を立てておくことが大切です。
◆ 別荘をどのように使うか
別荘を持つ目的によって、適した場所が変わってきます。
たとえば、自然のなかで過ごしたいという希望がある場合でも、「山に近い」「海に近い」のどちらかを求めかによって、別荘で叶えられることはだいぶ違うでしょう。
釣りやマリンスポーツが好きなら海に近い場所、登山やキャンプ、山の写真撮影などをしたいときは山に近いエリアが選択肢になります。
できるだけ静かに過ごしたいという目的があるなら、人通りの少ない環境がおすすめです。
テレワークなどで別荘に行ったら短期間生活をしたいときは、レストランやスーパーといった日常生活に欠かせない店舗への行きやすさなども重視しましょう。
◆ アクセスの良さも重視する
素敵な景色・楽しいアクティビティなどを比べながら考える別荘の場所選びは楽しいですよね。人気の場所に別荘を購入できれば、これからの暮らしに潤いが生まれそうです。
ただ、別荘地選びで重視したいのは「アクセスの良さ」。別荘はときどき訪れる場所であり、必ず、現在の居住地からの移動をともないます。
朝早く出発して別荘に到着したのが夜だったなど「到着までの時間が1日がかり」では、時間もお金もかかって足が遠のくこともあるでしょう。
また、距離的にはそれほど遠くなくても
「人の気配がない山奥の別荘」
「別荘地まで砂利道が多くて車が傷みそう」
「交通の便が悪く、乗り継ぎばかり…」
とスムーズにアクセスできないと移動に疲れます。
別荘のある場所までは、できるだけ短時間で手間なく、あまりお金をかけずに行ける“手軽さ”もポイントです。
たとえば、
・現在の居住地から1~3時間もあれば到着する
・バスや電車、車など移動手段がたくさんある
などなら、比較的頻繁に訪れることができるでしょう。
エリア別おすすめ別荘地
日本ではさまざまな場所に別荘地と呼ばれるエリアがあります。“綺麗な眺望”や“楽しいスポット”など、それぞれの場所によって特徴が異なるものです。
そこで、日本で人気の別荘地をエリア別にまとめてみました。
軽井沢(長野県)
日本では古くから別荘地として名高いのが長野県の「軽井沢」です。
標高が高く、夏の平均気温が20℃ほどと冷涼な気候。夏の暑さをしのげるとあって避暑地として人気です。豊かな自然に囲まれ、リゾート気分を堪能できるのがメリットです。
ゴルフ場やテニスコートなどスポーツを楽しめるほか、観光客向けの商業施設もたくさん見られます。
賑わいのエリアを少し離れると、美しい滝、緑あふれる高原、木漏れ日が心地良い森林、せせらぎの音色が聞こえる川…など、心をリフレッシュできるスポットが存在しています。
軽井沢と言っても広く、エリアによって不動産価値は若干異なりますが、軽井沢というブランド価値も相まって購入費用が高めなのがデメリットと言えるかもしれません。
少しくらい費用が高くても、高級な別荘を建てて、別荘を持つステータスを得たいという人にはおすすめできるエリアです。
熱海(静岡県)
静岡県の東側にある「熱海」は、東京からも比較的行きやすい地域、なおかつ温暖な気候ということもあり観光地としても人気です。
坂道が多い熱海は、背後に広がる山々に向かって段々に建物が立ち並ぶ高台となっています。目の前に美しく青い海が広がり、別荘にいる特別感を堪能できるのがメリットです。日が沈む時間帯には赤色に染まった神秘的な光景になり、まさに“非日常”を感じられる別荘地と言えるでしょう。
また、熱海は温泉地として日本でも有数のエリア。温泉好きの方にはおすすめできる別荘地です。
ただ、坂道が多い街ということもあり、立地によっては道路幅が狭いところも多いです。都会のように公共交通機関が充実しているわけではなく、別荘に滞在時の交通の便が不便に感じるのがデメリットと言えるかもしれません。
箱根(神奈川県)
「箱根」は神奈川県の南西に位置し、日本でも有数の温泉地として多くの人に知られています。
車や電車、バスなど移動手段にもよりますが、都心からなら1時間30分~2時間ほどで到着できる距離です。
温泉観光で人気の箱根は、国内外から多くの観光客で賑わっています。そのため、温泉施設をはじめ、美術館や歴史的な神社仏閣、大自然、ショッピング、アウトドアスポーツなど楽しめるスポットが満載の場所です。大自然に包まれた魅力溢れる風土を臨みながら、アクティブな楽しみも堪能できるメリットがあります。
温泉好きの方、自然を堪能したい方、セカンドハウスのように都心から定期的に訪れたい方などにおすすめできる別荘地です。
ただ、観光地として有名過ぎることから、GWといった大型連休などに混雑するエリアもあります。渋滞に巻き込まれてしまうとふだんよりも移動時間が長くなるうえ、レジャースポットも混雑するのはデメリットと言えるかもしれません。
那須(栃木県)
栃木県の北部にある「那須」は、山に囲まれた大自然にある場所です。
別荘地や保養地としても注目され、宿泊施設も多いです。都心からの場合、車でも2時間ほどで到着することができます。那須に別荘を購入すると「気軽に訪れやすい」のがメリットとして実感できそうです。
温泉や遊園地、レストランなど家族みんなで楽しめるスポットが満載なのも魅力的です。
那須高原は知名度もあり、標高が高いことから夏にも涼しい感覚で過ごすことができます。冷涼な夏を別荘で過ごしたい人にはおすすめできるエリアです。
ただ、山間部にあることから冬が寒いというデメリットがあります。別荘の場所によっては雪も積もるため、冬場の別荘の維持管理についてしっかりと考えておくことが大事です。
館山・南房総(千葉県)
千葉県の南端にある「館山」は、都心から訪れやすい立地にある別荘地です。交通手段やルートによっても異なりますが、早ければ都心から90分ほどで到着できるアクセスの良さが魅力です。
遠い別荘地を選んでしまうと「移動時間が長くて行くのが面倒」と利用頻度が極端に減り、結果的に手放す方もいます。関東エリアに居住中で別荘を検討している人にとっては、館山は気軽に訪れやすいでしょう。
海に面した立地でのどかな景色のなか、年中温暖な気候でリゾート気分を味わえます。館山駅周辺には、青い海をバックに南欧を彷彿させるオレンジ色の洋瓦・白い外壁の建物、背の高いヤシの樹木が多く見られます。まるで南欧に来たかのような美しい光景が広がるエリアです。
海に近いので、海の幸のグルメも堪能できます。
マリンスポーツを楽しみたい人、海の幸をふんだんに使ったグルメを味わいたい人、大自然の雄大な景色を写真におさめたい人などにもおすすめできるエリアと言えるでしょう。
都心にお住まいの方なら比較的近距離の場所のため、「週末の拠点として過ごす」「リモートワークの際に利用する」といったセカンドハウス感覚で別荘を購入する方も多いです。太平洋に面して温暖な気候ですから、冬になっても「雪が積もる・寒い」ということもなく、訪れやすい場所です。
また、軽井沢や伊豆などは物件価格も高く予算が合わないという方でも、館山エリアなら同じような間取りでも比較的お安い価格で別荘の購入が可能です。
購入費用をおさえることで今後の維持管理費用にもまわせるので、別荘の憧れを現実的なものにもしやすいのがメリットです。
ただ、都心と比べると電車等の公共交通機関が充実しておらず、自動車を所有していないと交通の便が悪く感じるケースがあるのがデメリットと言えるかもしれません。
予算をおさえて気軽に行ける別荘が欲しい、夏も冬も一年中行きたい、いずれ移住を考えているといった人におすすめのエリアです。
まとめ
自分や家族の暮らしを豊かにしてくれる別荘。購入後は自分や家族だけが利用できるプライベート空間となり、ホテルに滞在するのとは違った感覚で利用ができるのが魅力です。
ただ、注目度が高く人気の別荘地でも、エリアによって購入価格や周辺環境がかなり変わります。場所の周辺環境などを深く考えずに購入したものの、「アクセスがあまりよくない」「往復に時間やお金がかかり過ぎる」「冬に寒くて生きづらい」など不満が出るとせっかくの別荘の利用頻度が少なくなります。足が遠のいてしまうことは残念ですよね。
別荘を持つことが負担とならないように、訪れやすい“近さ”や過ごしやすい“気候”などにも着目し、利用しやすい別荘の場所を選びましょう。