Home > 南房総大好き人 > 南房総市在住 三善 康次様 裕子様 移住

50歳までに週末移住を。夢から逆算してつくった暮らし

【夢が詰まったガレージハウス】

<ご紹介するのはこんな方>

三善 康次様(57歳) 
三善 裕子様(56歳)

南房総市在住
家族構成 夫婦2人住まい
以前の居住地 神奈川県川崎市中原区
移住スタイル 二拠点生活から定住

千葉県南房総市岩井地区に、一軒の瀟洒なガレージハウスが建っています。ここでアメリカンヴィンテージの雑貨や食器など、好きなものに囲まれて暮らす三善康次さん、裕子さんご夫妻。お二人が思い描いてきた暮らしをどのように形にしてきたのか伺いました。

夢を先送りせず、動ける今から始める

三善康次さん、裕子さんご夫妻は神奈川県川崎市と南房総市岩井地区を行き来する二拠点生活を約9年間続けたのち、南房総に完全移住しました。2026年6月のことです。
 
もともと古着や古いものが好きで「渋谷より高円寺」という共通の感覚を持つお二人は2007年に結婚。高層マンションが建ち並ぶ町で暮らし、共働きで忙しく過ごしました。
 
康次さんは福岡の海に近い町、裕子さんは東京郊外の町で生まれ育ちました。暮らす場所も職場も都会という生活のなかで、次第に「海の近くの、ほどよい田舎で暮らしたい」と思うようになります。40代になってからその思いは強くなるばかり。お二人ともアメリカのヴィンテージ雑貨が好きで、「好きなものに囲まれて暮らしたい」という思いも共通していました。
 
康次さんが43歳のとき、お二人は「50歳までに、少なくとも『週末移住』を実現する」と目標を定めます。さらにその先の完全移住も視野に入れ、具体的に動き始めました。
 
「私は、何でも細かく計画的に進めるタイプではないんですよ。でも、家を建てるのは大きな買い物ですからね。この目標に対して、逆算して、いつまでになにをやるのか考えることにしました」と康次さん。
 

【キッチンのカウンター前で、三善さんご夫妻】

【キッチンのカウンター前で、三善さんご夫妻】

夢を形にするⅠ 移住先を決める

車が好きな康次さんは、田舎への移住を真剣に考え始める以前から、裕子さんと、よくドライブに出かけていましたが、そこに「移住先探し」という目的も加わりました。
 
大切な条件は、川崎の住まいと90分以内で行き来できることでした。二拠点生活のための移動時間はそれくらいが限度だろうと考えたからです。いろいろ調べ、足を運んでみた結果、候補地は、小田原、三浦、館山、鴨川、南房総の5か所に絞られました。
 
土地代を抑え、そのぶん、建物に予算をかけたい…この条件に合ったのが、館山・鴨川・南房総。さらに東京方面へのアクセスの良さでは、館山や南房総の内房側がいい。南房総は、昔からドライブでたびたび訪れていたお気に入りの場所。ゆったりした雰囲気が好きで、海の幸のおいしさにも惹かれていました。2009年からアクアラインのETC通行料が800円になり、さらに身近な場所になっていきました。
 
最初は、中古住宅や古民家を中心に探していました。広めの土地に建つ中古住宅を購入し、その脇にガレージハウスを建てる案も考えていたからです。けれども、たくさんの希望を満たす物件は、そうそう見つかりません。あるとき不動産会社のスタッフが言いました。
 
「いっそ、一から建てたらいかがですか?」
 
そして、紹介されたのが今の土地です。お二人は「ここだ」と思い、この土地に自分たちのイメージ通りのガレージハウスを建てることに決めました。
 

【ガレージの一角。工具もコレクションも形よく配置され、PEPSIの冷蔵庫もヴィンテージ】

【ガレージの一角。工具もコレクションも形よく配置され、PEPSIの冷蔵庫もヴィンテージ】

夢を形にするⅡ 家を建てる

さて、それからというもの、お二人は夢のガレージハウスを建てるために力を尽くしました。
 
「自分たちの望むイメージを伝えるのが大変でした。まず工務店さんに説明して分かってもらい、工務店さんから大工さんに伝えてもらう必要もありました。図や絵、切り抜きなどを大量に作って渡し、それでも素材やサイズ感が伝わらないことがあったので、建築中もしょっちゅう顔を出してあれこれ希望を言っていました。ウルサイ施主だと思われたでしょう」と康次さんは笑います。
 
お二人が用意した当時の資料は厚いファイル1冊にまとめられており、拝見すると、夢の実現に向けた熱い思いが伝わってきました。
 
実際、完成したガレージハウスには、さまざまな工夫が施されています。たとえば、ガレージの中央には柱を立てず、壁側を柱で補強。その柱と柱の間に板を張り、デスクやラックとして使えるようにしました。
また、1階のガレージから2階の居住スペース、バルコニーまで、靴を履いたまま移動できる造りにしています。薪ストーブを置くことと、犬を迎えることを見据えた工夫で、薪を運ぶときも、犬の散歩から帰宅したときも、靴を脱がずに2階へ上がり、そのままバルコニーへ出られます。
 
ガレージや家の中に飾られたお二人のコレクションは、ヴィンテージ雑貨に詳しくない私でも、思わず見入ってしまうほど。家の隅々まで、美意識が行き届いています。
 
お二人は、こうした家づくりや二拠点生活の様子を、YouTube「週末房総LIFE」やSNSでも発信してきました。
 

【家づくりのため、工務店や大工さんに渡した資料の一部】

【家づくりのため、工務店や大工さんに渡した資料の一部】

【選び抜いた薪ストーブ。靴をはいたまま、外の薪棚から薪を持ってくることができます】

【選び抜いた薪ストーブ。靴をはいたまま、外の薪棚から薪を持ってくることができます】

【ガレージで話す三善さんご夫妻】

【ガレージで話す三善さんご夫妻】

二拠点生活を振り返る

康次さんと裕子さんに、ガレージハウスを建てるまでの時間の流れや、約9年間の二拠点生活についてお聞きしました。
 
お二人が移住を具体的に検討し始めたのは2012年頃。2014年には土地を購入し、2016年にガレージハウスを着工、翌2017年、康次さんが48歳のときに完成しました。
 
「それから約9年間、ほぼ毎週、金曜日の夜に南房総へ来て、日曜日の夜に川崎へ帰る生活でした。移動時間を90分以内と最初に決めておいてよかったと思います。二拠点生活でいちばんよかったのは、オン・オフを切り替えられたことです。生活に張りが出て、充実感がありました。自分たちの望みを叶えた家、好きなものに囲まれた家だから『毎週、行きたい』と思えましたね。次第に『一日でも早く』完全移住したいと思うようにもなりました」
 
二拠点生活には、2つの家を維持する費用や管理の手間も伴います。それでも、お二人にとっては南房総で過ごす時間から得られるもののほうが大きかったそうです。
 

【キッチンの小物について説明する裕子さん】

【キッチンの小物について説明する裕子さん】

【ミルクガラスの食器のコレクション。ディスプレイも美しい】

【ミルクガラスの食器のコレクション。ディスプレイも美しい】

「来週でもいいか」と思える、完全移住後の暮らし

2026年、康次さんは長年勤めた会社を退職。住んでいた川崎の家を売りに出したところ、ほどなく買い手が決まり、6月1日に完全移住を果たしました。
 
今、康次さんはヴィンテージ雑貨のオンラインショップ開設に向けて準備中です。裕子さんは、以前から週の半分ほどはリモートで働いていましたが、完全移住後はフルリモートで仕事をして、月1回、都内の会社に出勤しています。
 
完全移住後、大きく変わったのは夫婦で過ごす時間でした。川崎で共働きをしていた頃は残業も多く、一緒に夕食をとる機会はほとんどなかったそうです。
 
「こちらに来てからは、夫婦でゆっくり夕食をとれるようになりました。朝も昼も夜も静かで、穏やかな気持ちで過ごせます。二拠点生活の頃は『今週はゼッタイあそこに行こう』と予定を立てていたのが、今では『来週でもいいか』と思えるようになりました」と裕子さんは笑います。
 
お二人の住まいがある一帯は、比較的移住者が多いエリアでもあります。先日、近所に引っ越してきた方が挨拶に訪れ、
 
「ああ! YouTubeで見ました。あのお宅ですね!」
 
…と言われたそうです。別の方からも同じように声をかけられ、お二人も驚いたとのこと。
 
生活の便については、駅や商店にも歩いて行けるし、万が一マイカーが使えない場合でも、高速バスが発着する「道の駅 富楽里とみやま」まで徒歩で行けるので、不自由は感じないそうです。
 

【キッチンには主に、裕子さんのコレクション。換気扇のダクトもあえて見せています】

【キッチンには主に、裕子さんのコレクション。換気扇のダクトもあえて見せています】

【ガレージのデスクまわり。こちらは主に康次さんのコレクション】

【ガレージのデスクまわり。こちらは主に康次さんのコレクション】

また一つ、夢が叶う

実は近々、お二人の夢がまた一つ叶います。オーストラリアン・ラブラドゥードルのワンちゃんがやってくるのです。ペット不可だった前の住まいでは叶わなかった夢でした。
 
「やりたいことができたら、そのときにやればいいかなと思います。犬と旅をするのもいいですね」と裕子さん。今の生活が充実していることが伝わってきます。
 
二拠点生活や移住を希望している方にアドバイスをお願いしてみました。
 
「二拠点生活や移住をしたいという気持ちがあるなら早く動いたほうがいいと思います。現地を見て、泊まって、季節を変えて訪れるのもいいかと。私たちも、同じような暮らしを考えている方の参考になればという思いで、YouTubeやSNSで情報発信をしています」
 
今回の取材を受けてくださった理由もそこにあると、お話しくださいました。
 

【ご自宅の前で】

【ご自宅の前で】

インタビューを終えて

お二人の目を見張るようなコレクションの中で、私の印象にひときわ残ったのはマドラーでした。磨き抜かれたカウンターには、ミルクガラスのカップや、酒類メーカーの広告入りホルダーに収められた、色とりどりのヴィンテージマドラーが美しく並んでいます。聞くと、すべて実際に使われていたものだとのこと。1本のマドラーにも歴史と物語が秘められていることに感動しました。
 
またいつか、さまざまな小物たちの物語や、ワンちゃんを迎えての暮らしぶりを聞きに訪れたいと思いました。
 

【1本1本のマドラーにも、それぞれの物語があります】

【1本1本のマドラーにも、それぞれの物語があります】

(※本記事は、2026年9月に取材・撮影を行った際の情報をもとにしています)
 
 
週末房総LIFE

https://www.youtube.com/@bosolife2017

ページトップへスクロールするボタン