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「理想の平屋」で満喫。ライフステージに合った暮らし

【関惠美子さん 健一さん】

<ご紹介するのはこんな方>

関健一さん(80代)
惠美子さん(80代)
館山市神余(かなまり)地区在住
家族構成 夫婦2人住まい
以前の居住地 神奈川県横浜市
移住スタイル 定住

2010年に横浜市から館山市の神余地区に移住した関夫妻。庭付きの平屋住宅を購入しました。
館山の市街地から車で15分ほどのこの地域は、まるで異国の街を訪れたかのような雰囲気です。
林道を通っていたかと思うと、パッと視界がひらけて住宅街になり、個性的な家々が並びます。
関さんのお宅もかわいらしい洋風の家で、中に入ると明るく開放的な空間が広がっていました。
「自然の中でのびのびと暮らしたい」と移住を考えていた惠美子さんにとって、この平屋は「理想の家」だったそうです。
この物件に決めた理由や、実際の暮らしについてお話を伺いました。

仕切りのない開放的なリビングにサンルームの光が注ぐ

【玄関とリビング】

【玄関とリビング】

玄関から入ると、すぐ目の前には明るいリビングが広がっています。仕切りや段差もなく、とても開放的。
見上げると勾配天井になっていて、梁の組みもよく見えます。空間に高さがプラスされて、さらに広々と感じられました。
 
「椅子のクッションは韓国のおみやげで、壁にかけてあるパッチワークは友人が作ったもの。アイルランドの太鼓も飾ってあるのよ」と、リビングを見ながら話す惠美子さん。それぞれの雑貨にはたくさんの思い出が詰まっているようです。

【リビング・ダイニング・キッチンと仕切りのない空間。窓の外はサンルーム】

【リビング・ダイニング・キッチンと仕切りのない空間。窓の外はサンルーム】

天井には、冷暖房の空調用にシーリングファンが付いていて、窓の外にはサンルームが続いています。太陽の光が注がれ、室内も明るく感じられました。
サンルームで洗濯物を干したり、軽めの運動をしたりと、いろいろな活用ができてお気に入りの場所です。
 
ゆったりとくつろげるリビングでは、テレビを見たり本を読んだりと、それぞれのペースで過ごす関夫妻。
健一さんは夕方頃からの晩酌が楽しみで、ちびちびとお酒をたしなむのが日課になっています。

自然の中でのびのびと。釣りや畑のできる場所を求め移住

移住前の健一さんは、とにかく多忙で働きづめの毎日でした。無理が重なったのか、60歳のときに脳内出血で入院。「このままではいけない」と生活を見直すようになりました。
教員をしていた惠美子さんも、定年退職後に「健一さんをゆっくりさせたい」と移住を考え始めます。
「自然の中でのびのびと、その頃に飼っていた犬たちも思いっきり遊べるような家に住みたい」と、2人はいろいろな土地や物件を見て回りました。
 
はじめは千葉だけでなく、伊豆や那須高原にも行ってみました。どちらも景色が良く気持ちのいいところでしたが、伊豆は交通渋滞の問題があり、那須高原は冬の雪が難点でした。
 
「『家を探すなら冬に探せ』と昔から言われていたので、過ごしやすい環境を考えると千葉県の南部がいいのかなと、エリアがだんだん絞られてきました」
 
釣り好きの健一さんは、実は移住前から館山に古い一軒家を持っていて、週末になると釣りをしに来ていたそうです。惠美子さんや犬たちも釣り小屋に泊まりました。
梅雨時は蛍も見えて、きれいだなと感動。横浜で生まれ育った健一さんにとって初めての経験でした。
 
房総エリアの不動産は、久留里や大多喜、鴨川、平群などを巡りました。
はじめに紹介されたのは、昔ながらの平屋の農家。田の字の部屋作りで冬は寒く、2人で住むには大きすぎました。他にも「裏山付き」の物件や、元幼稚園だったところを紹介されたこともあったそうで、犬が遊ぶには良いスペースですが、とても手に負えないと感じました。
 
「お互いの年齢や体力を考えると、定年後の移住はリスクをなるべく背負わないようにしたい」と、それぞれの希望を出し合いチェックしていきました。
 
土地を買って希望の家を建てることも考えましたが、不動産屋さんに「もう1軒見てみますか」と言われ、最後に見学した物件が、現在住んでいるこの家でした。
 
外観を見てみると「あれ?この家見たことあるぞ!」と健一さんは驚きます。なんでも、田舎暮らしの雑誌を読んでいた時にたまたま掲載されていた物件で、なんとなく頭に残っていたそうです。
 
コンパクトな平屋で犬が遊べるスペースがあること。そうじが楽な家で、花や畑ができる庭があること。
そんな2人の希望が叶うこの家がすぐに気に入り、その日の夜に購入を決めることにしました。

「建て主さんの想い」を感じる家

「住んでみると、改めて建て主さんの想いやこだわりが感じられるんです」と話す惠美子さん。
開放的なリビングの柱や梁は、ロフトも作れるような設計になっているそうですが、あえて空間を仕切らずに建てられていました。2人にとってはその開放感が決め手になりました。
 
キッチンは業務用のステンレス台で、流しが2つ付いています。子どもや孫たちが泊まりに来ても、一緒に台所に立てるのでとても使いやすいとのこと。

【和室。仕切りを開けるとリビングにつながる】

【和室。仕切りを開けるとリビングにつながる】

リビングの隣には和室もあり、今は書斎や客室として活用しています。前の持ち主は茶室として使っていたそう。
 
「横浜の家は、親や子どもたちも同居していたので、とにかく部屋数が多かったんです。そうじや障子の張り替えも大変でした。
ここはそういった面倒さがなく、まさに『理想の平屋』。私が住みたかった家を、前の持ち主が建ててくれていました。ここに決めて本当に良かったです」

年齢とともに変わる生活も、それぞれのペースで

【外観と庭の畑。シークワーサーやレモンの実】

【外観と庭の畑。シークワーサーやレモンの実】

庭を案内してもらうと、健一さんの畑がありました。まわりには柑橘類の実をつける木があり、現在畑になっている場所も、以前は果樹園だったそうです。野菜を育てるために更地に戻しました。
玄関の方には花の植木鉢が並んでいて、惠美子さんが育てています。
 
「今年はまだ畑もできていないし、野菜や花が育ったときに見に来てほしかったわ」と笑う惠美子さん。
 
移住後は健一さんもゆっくりできると思っていましたが、仕事がなかなかやめられず、二拠点生活を送っていました。65歳から70歳までの5年間は、毎週のように横浜と館山を行き来していたそうです

【洗面所。トイレやお風呂まで車椅子が通れる広さ】

【洗面所。トイレやお風呂まで車椅子が通れる広さ】

惠美子さんも移住後に、硬膜下出血を経験しました。足には人工関節が入っているため、歩くときに無理はできません。
 
「若いときに身体を酷使してきたから仕方ないわね。でもこの家は段差も少ないし、車椅子も通れる広さがあるから助かるわ」と話します。
 
教員の仕事をしながら、いろいろな地域を歩いてきた惠美子さん。47都道府県や海外にも行きました。
 
「その土地の歴史や文化に興味があるんです。教科書の内容を子どもたちに伝えるときも、実感を持っていたかったのだと思います」
 
「鎌倉が大好きで、『鎌倉街道』について調べていたときも、道は陸だけでなく、この南房総の海ともつながっていたことを知り驚きました」
 
惠美子さんは歴史の足跡から、そして健一さんは釣りがきっかけで、この館山の海や土地に愛着を感じてきたようです。

インタビューを終えて

移住してから「横のつながり」が増えたと話すお二人。犬の散歩中にご近所さんとあいさつをしたり、野菜をいただいたりと、横浜での多忙さとはまた違った、ゆるやかな交流を紡いできました。
 
退職後も自治会活動など町内づくりに精を出してきた健一さん。
惠美子さんも地域の花壇の世話をしたり、さまざまな活動に顔を出したりしています。
今もなお元気なお姿に、背筋が伸びる思いがしました。
 
これからもすてきなお家で、和やかな時間が過ごせますように。
私も改めて、今住んでいる地域の歴史を調べてみようと地図や本をひらいているこの頃です。
 
 
(※本記事は、2026年2月に取材・撮影を行った際の情報をもとにしています)

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