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自然と共にある暮らし。人とのつながりも味わい、楽しむ

【今村隆嗣さん 加代さん】

<ご紹介するのはこんな方>

今村隆嗣(りゅうじ)さん(70代)
  加代さん(60代)
南房総市千倉地区在住
家族構成 夫婦2人住まい
以前の居住地 千葉県白井市
移住スタイル 定住

2015年に白井市から南房総市の千倉地区に移住した今村夫妻。自然豊かな山の中の古民家を購入しました。
自宅のまわりは木々に囲まれ、隣には川が流れています。

この日はちょうど、今村さん宅に仲間が集まり、広いお庭で「七味唐辛子山分け会」がひらかれていました。
私もご一緒させてもらい、にぎやかな交流が広がる中、この土地の暮らしについてお話をうかがうことができました。

仲間と収穫を喜びあう、憩いの庭

庭にはテーブルと椅子が並び、今村さんと会のメンバーが火を焚いて、芋煮を作っていました。
毎年、七味唐辛子の材料を一から自分たちで育てたり、一緒に採りに行ったりしているそうです。

 

この日は完成したばかりの七味唐辛子を仲間で分け合い、芋煮にかけて味わう日。
七味は、なるべく南房総で収穫できる材料にこだわったブレンドです。

 

庭には「移住してから掘ってもらった」という井戸と、陶芸用の窯がありました。
隆嗣さんのお兄さんが陶芸家で、その影響もあり今村さん夫妻もたしなんでいるそうです。

 

テーブルにはお兄さんや隆嗣さんが作った器も並び、話に花が咲いて、憩いのひとときが流れていました。

【左上から、七味唐辛子・陶芸窯・井戸・芋煮】

【左上から、七味唐辛子・陶芸窯・井戸・芋煮】

庭で料理や飲食をする時に、必要な調理器具や食器があると、土間からサッと取り出してくる加代さん。

 
「家の中に入らずに、すぐ出し入れできるよう土間に食器棚を置きました。キャンプやバーベキューをすることもあるので、外で使う物の置き場所を工夫しています」

【土間の食器棚】

【土間の食器棚】

今村さん宅は平屋の古民家と、隣に2階建ての離れがあります。2つの建物は中から行き来できるようになっていて、多い時は10人以上泊まりに来たこともあったとか。

 
移住して10年。田舎暮らしならではの交流が今村さんの家で紡がれていました。

自然の中で落ち着いた暮らしを求め移住

白井市から南房総市に移住するきっかけや、この物件に決めた理由を教えてください。

 
「私は高知県の山の中で生まれ育ちました。街に出て看護師として働くようになってから、田舎暮らしでは感じることのなかった『化学物質アレルギー』が出てしまい、長年苦しみました。都会の生活が合わなかったのでしょうね」と話す加代さん。

 
移住は40代の頃から考え始めていました。今まで引っ越しも多かったため、今度は静かで落ち着いた、畑もできるようなところに住みたいと思っていたそうです。

 
白井市にいた頃も庭で小さな畑をしていましたが、東日本大震災の際、原発事故の影響でこの地域も放射線量の数値が高くなり、続けることができなくなりました。

 
退職する2年ほど前から、毎日のように不動産サイトを見て物件探しをしていた加代さん。

 
ただ、大手の不動産総合サイトを見ていたからなのか、なかなかピンとくる物件に出会えませんでした。
出てくる情報が広範囲すぎたのかもしれません。
視点を変えて、今度はエリアを南房総に絞り、地域に根差した不動産のサイトを見ることにしました。
そこで今住んでいるこの物件を発見。

 
見学に行くと、隆嗣さんはすぐにこの家と土地が気に入りました。

 
この物件は建ててから70年以上経っていますが、水回りもきれいにリフォームされていて、すぐに住める状態でした。
2階建ての離れは、前の住人が子どものために後から増築したもの。

 
この家にたどり着くまでに10軒以上見てきた今村夫妻は、生活の設備も整っているこの家に決めることにしました。

【平屋室内 陶芸作品と楽器も並ぶ】

【平屋室内 陶芸作品と楽器も並ぶ】

家の中で気に入っている所はありますか

「とにかくゆったりとした平屋はいいですね。子どもの頃から団地や社宅暮らしだったので、広い家に憧れがありました」と話す隆嗣さん。

 
北海道出身で、父が炭鉱の仕事をしていたため、閉山などの理由から福島、茨城などを転々としてきました。
そして最終的に落ち着いたのが千葉県。

 
以前住んでいた白井市の家には、今も長男が住んでいます。
年に数回、子や孫たちが南房総の家に泊まりに来るのが楽しみです。

 
「まわりを気にしなくていいから、気分よく思いっきり過ごせますよ」

 
窓や玄関のくもりガラスは懐かしさを感じ、やさしい明かりが室内に入ってきます。
客間に座って、景色をゆっくりと眺めるのが加代さんのお気に入りのひとときです。

 
「夏は蛍が見えたり、山百合が咲いたり。秋は紅葉を楽しんでいます」

 
窓辺の木もれ日が、壁や床にキラキラと映っていました。

 
お気に入りの食器棚とテーブルは、前の家から持ってきたもの。
引っ越してからもこの家で、お客さんを迎え入れてくれています。

【玄関と窓から見える庭。木もれ日が入る】

【玄関と窓から見える庭。木もれ日が入る】

畑と散歩道を歩きながら

家の近くにある畑とその周りの散歩道を、加代さんが案内してくれました。
坂もなく、風景を眺めながら気持ちよく歩くことができます。

 
広々とした畑は、地域の人から借りているそうです。今年はなかなか畑をする時間がありませんでしたが、七味の材料の唐辛子がたくさんなっていました。

 
ノビルやフキノトウ、ミョウガなど、自生したものは季節になるとどんどん生えてきます。

 
「来年はもう少し畑に専念して、いろいろな野菜を育てたいですね。移住して畑や庭のことをするようになってから、体力がついてきました。午前中に作業して午後は休むなど、自分のペースを大切にして暮らしていきたいです」

【散歩道】

【散歩道】

インタビューを終えて

美味しく、楽しい時間はあっという間にすぎていくものですね。
「私も泊まらせてもらおうかしら」と思うほど、居心地のいいお宅でした。

【ギターの弾き語りを披露する隆嗣さん】

【ギターの弾き語りを披露する隆嗣さん】

「移住してから、本当の人間関係、助け合いの大切さを感じるようになりました。
楽なら良いというわけではなく、手間や不自由さも、喜びや楽しみに変わる、そんな田舎暮らしが、今は好きです」と話す、隆嗣さんの言葉が印象的でした。

 
自然の中のすてきな古民家で、これからも穏やかな暮らしと交流が続いていきますように。

 
私もお二人を見習って、庭の手入れを頑張ろうと力が湧きました。

 
(※本記事は、2025年12月に取材・撮影を行った際の情報をもとにしています)

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