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2度目の移住地は、“世界の穴場”だった

【川上亜希子さん】

<ご紹介するのはこんな方>
川上亜希子さん(40代で移住)
南房総市在住
家族構成 3人(夫婦と移住当時3歳の息子1人)
以前の居住地 神奈川県逗子市

神奈川県逗子市に移住した家族が、2度目の移住先として選んだのは南房総でした。マイホームを求めて長年物件探しを続け、賃貸を経てやっと手に入れたマイホームに引っ越したのは、2025年2月の終わり。まだリフォームが完了していない中で新居に引っ越し、少しずつ暮らしに彩りを添えている川上さんに、移住の経緯や物件探しについて話をうかがいました。

南房総との出会い

結婚後、都内の三鷹市で暮らしていた川上さんは、自然豊かで子どもをのびのびと育てられる環境を求めて神奈川県逗子市に移住しました。3DKで50㎡のアパート暮らしだったため、子どもが成長する過程で広い家を購入したいと考えはじめました。逗子市内で物件を見て回りましたが、予算や条件に合う物件がなかなか見つかりません。湘南や真鶴町、さらにはご主人の実家がある愛媛県の島なども視野に入れて訪れましたが、決定打はありませんでした。

あるとき知人から、「千葉がいいよ」と勧められ、子どもの頃によく家族で出かけた、自然豊かな南房総エリアを訪れてみることに。カフェ巡りが好きだったので、鋸南町(きょなんまち)の佐久間ダムに季節限定でオープンするカフェ「藁珈琲洞(わらこーひーどう)」を訪れました。

【佐久間ダムの頼朝桜と水仙】

【佐久間ダムの頼朝桜と水仙】

「頼朝桜と水仙が咲く景色が、まるで桃源郷のようでした。カフェで移住を考えていると話すと、『ウェルカムですよ』って言ってくれて、すごくうれしかったです。実家も近いし、この土地ならやっていけると思いました」と、川上さんは当時を振り返りました。

田舎だけど田舎過ぎない、ちょうどいい環境

その後、館山市周辺での物件探しをインターネットではじめたものの、半年以上経っても手ごたえが得られないままでした。売り物件を探していましたが、土地鑑がない中でいきなり購入するのは難しいと感じ、とりあえず賃貸で物件を探して見つけたのが、南房総市の岩井にある家でした。

「自然が近くて、スーパーも近く買い物に便利で、道の駅「富楽里(ふらり)」や岩井駅も近く、高速バスや電車で東京にも行きやすくて、田舎だけど田舎過ぎず、私たちにとってはちょうどいい環境でした。近所には息子と同年代の子どもたちがいて、自転車で行き来して遊べるのも良かったです」

逗子の町に魅力を感じていた川上さんですが、南房総の魅力はどんなところにあるのでしょうか。

【夕暮れ時に浮かび上がる、岩井海岸からの富士山】

【夕暮れ時に浮かび上がる、岩井海岸からの富士山】

「海一つとっても、南房総は内房と外房があり、いろいろな表情の海を選ぶことができます。海水浴シーズンの逗子は人が多く、駐車場スペースも限られていて有料でした。南房総は広々としていて、ゆとりを感じます。人口が少ないからか、年齢や立場、仕事に関係なく、いろいろなバックグラウンドの人と出会い、交流できる機会が多いと思います」

同じ地区なのにこんなに違う、山暮らしから海辺暮らしへ

【家から歩いて学校へ向かう息子さん】

【家から歩いて学校へ向かう息子さん】

賃貸物件を出ることが決まり、再び家探しが始まりました。子どもが多く、子ども会や祭りがあって、歩いて学校に通える地区がとても気に入っていたので、同じ地区内でマイホームを求めて探しました。しかし、今回もなかなかいい物件に出会えないまま、1年半が過ぎました。引っ越し期限が迫っていたため、とりあえず賃貸物件を見てみようと思い、不動産屋に問い合わせてみると、「売買物件でも良ければ紹介できるものがありますが、見てみますか?」と聞かれ、見に行くことに。

過去の経験から、朝に「いいな」と思っていたら、夕方には売れてしまっていたことがあったので、今回は即決しました。希望通り、これまでと同じ地区ですが、以前の家は山側のエリアでした。季節の変化を味わうことができ、とても気に入っていましたが、夜にイノシシが出没することがあって不安を感じはじめたところでした。現在の家は歩いて駅や海まで出られる立地で、以前の家に比べると街中のような印象があります。最初は山側から離れることを寂しく思いましたが、海まで徒歩で行ける場所に住むことの魅力も、だんだんとわかってきました。今では時間にゆとりのある日は海まで散歩に出かけ、浜辺や波打ち際を素足で歩いて、引っ越し前に想像していた以上に海辺の暮らしを堪能しています。

念願のマイホームで過ごす時間

【玄関を入ると明るい吹き抜けが印象的な家】

【玄関を入ると明るい吹き抜けが印象的な家】

もともと、リフォーム完了後に引き渡し予定の物件でしたが、自分たちで選んだ素材を使いたかったため、リフォームの手配も自分たちで行いました。

DIYにも挑戦したかった川上さんは、ダイニングルームの壁を友人たちとともに漆喰に塗り替えました。ダイニングからキッチンへと続く楕円形の出入口と漆喰の質感が調和していて、心地よい空間になっています。

【漆喰を塗ったダイニングルーム】

【漆喰を塗ったダイニングルーム】

以前の家は、起きたら布団を片付けて、同じ部屋で食事をしていましたが、現在はスペースが広く、寝室やダイニングルームがあります。大人がリビングルームにいて、子どもは友だちと一緒に和室で遊ぶなど、それぞれが自分の時間を過ごせるスペースができました。

この家に引っ越して半年ほどなので、まだ家全体の良さを活用しきれていませんが、アロマを焚いてヨガをしたり、ソファーでゆっくり本を読んで過ごしたりと、お気に入りの場所が出来上がっています。

【ご主人がDIYしたソファーで読書をする川上さん】

【ご主人がDIYしたソファーで読書をする川上さん】

世界の穴場は岩井

川上さんは、現在住んでいる岩井地区のことを「世界の中でも穴場」と言います。その理由を挙げると、東京へのアクセスがよく、成田空港にも出やすい。ふだんは自然豊かな環境で暮らせる。海も山もあり、この土地で育てられた新鮮な米や野菜が手に入る。閉鎖的な田舎ではなく、オープンに受け入れてくれる人が多い。自然に溶け込んで暮らせて、物価が安い。海外に行く機会も多い川上さんは、「仕事さえ何とかできれば、ここは世界の中でも穴場です」と、笑顔で言い切りました。

まだ手つかずのままになっている庭は、将来エディブルガーデンにして、見た目にも楽しめる庭にする予定です。

【夢が広がる手つかずの庭】

【夢が広がる手つかずの庭】

インタビューを終えて

白い外観の川上さんのお宅は、窓が大きくて光と風がよく入る、気持ちのいい空間でした。本棚が置かれた庭に面した縁側。掘りごたつのある和室。白い壁と木目が調和したダイニングルーム。まだ整理されていない部屋や庭がありますが、毎日の暮らしを楽しみながらマイペースに整えている様子がうかがえました。

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