Home > 南房総大好き人 > 南房総市在住 酒井宰士様 二拠点生活

家でも会社でもない、“第三の居場所”

【酒井宰士さん】

<ご紹介するのはこんな方>
酒井宰士(さいじ)さん(65歳)
南房総市和田地区・東京都三鷹市 二拠点生活
家族構成 3人家族(夫婦2人と子ども1人)

大学時代から房総半島に通い続けてきた酒井さんは、この地に自分の居場所をつくりました。仲間と過ごした青春の延長線上にありながら、自分だけの時間も大切にできる場所です。室内から海を望む敷地には、ショップのように本格的な自転車やサーフボードが並び、DIYの薪風呂やサウナも備わった、まさに大人の秘密基地。毎週末ここで過ごす南房総での二拠点生活と、その続け方のコツを紹介します。

なぜ南房総だったのか

大学時代は仲間と御宿に家を借りていて、鴨川市にも仲間の拠点がありました。社会人になっても、週末は拠点に集まってサーフィンを楽しむ生活を続けていましたが、借りていた拠点を解約することに。もう一度みんなで借りるという案もありましたが、最終的に「バラバラに好き勝手やろうぜ」ということになりました。
 

南房総の良さについて「サーフィンするには冬でも水温が高くて暖かい。比較的空いていて、良い意味で田舎の空気が流れていて、若いときのように必死にやるわけではなく、のんびり楽しんでやるには最高のところ」と、酒井さんは話しました。

橋でつながった趣味の拠点

【隣接した2つの拠点をつなぐ橋】

【隣接した2つの拠点をつなぐ橋】

酒井さん宅へ車で向かい、海沿いの道から山側へ入ると田園風景が広がり見惚れてしまいましたが、どんどん細い道へとナビに誘導されていきました。心細くなる気持ちのまま急な坂道を上った先に、酒井さんが立っていてくれました。

【自転車屋さんのような趣味の部屋】

【自転車屋さんのような趣味の部屋】

秘密基地のような入り口に足を踏み入れると、「自転車屋さんですか?」と聞きたくなるくらいたくさんの自転車が壁面に保管されていました。奥には作業台があり、そのまま2階へ上がれば今度はサーフボードが部屋にずらりと並んでいます。部屋の窓から橋が伸びていて、橋を渡った先にある平屋が酒井さんの母家になっていました。

【サーフボードが並んだ部屋】

【サーフボードが並んだ部屋】

もともと、この平屋を含む250坪ほどの土地を購入して拠点にしていましたが、先ほどの2階建ての家が売りに出されたので購入し、現在は2つ合わせて400坪ほどの敷地があります。2階建ての家は、知人の工務店に屋根を直してスケルトン状態にしてもらい、そこからDIYで床を張ったり橋を作ったりして、秘密基地のような趣味の家を完成させました。
 

母家の広々としたリビングルームからは海が見えます。ピアノやドラムが置いてあり、壁にはギターやウクレレ、ビワ(琵琶)など世界各地の弦楽器がたくさん並んでいて、酒井さんの趣味が全開といった空間になっていました。

家探しの条件は……

「基本サーフィンをするためだから、山の中ではなく比較的海に近いところ。趣味の楽器がたくさんあるから、周りに人がいない方がいいかな」と、家探しをしたときの条件について教えてくれました。求める条件が少ないと思い、他にないか尋ねると「高校は寮生活で大学は下宿。四畳半一間からきてるから、住めば都だと思っている。こっちから条件を出してって感じではなく、気に入った物件があったらって感じ。自由に好き勝手できるスペースがあれば、それでよかった」と話しました。

【いろいろな楽器が置かれた寛ぎスペース】

【いろいろな楽器が置かれた寛ぎスペース】

この家を気に入った理由は、広くて眺めがよく、気持ちのいい空間だということ。窓が大きめで、網戸を雨戸のように仕舞うことができるので、全面ガラスだけになって網戸が景色の邪魔をしません。海までは車で2~3分なので、歩いて行こうと思えば行ける距離。
 

サーフィンは大学に入ってからはじめましたが、自転車は中学生のときから趣味で乗りはじめ、高校では自転車競技をやっていました。「南房総は標高の高い山がないわりに山深い。だから、自転車で走るにはすごくいいエリアなんだよね」と、自転車目線の魅力を教えてくれました。

「俺にとってのサードプレイス」

もともとあったビワ(枇杷)や柿の木のほかに、キンカンやソメイヨシノ、元朝桜、レモンやユズ、フェイジョア、山椒、ローリエなどの木を植え、ウッドデッキを自作しました。バーベキューのときに活躍するのは、ウッドデッキ横に設置された冷蔵庫。ふだんは、手作りの木製ボックスに仕舞われています。
 

庭にはパラソル付きの椅子とテーブルが設置されていて、手作りした薪風呂とサウナ小屋もあります。夜、この場所でまったりとワインを楽しむこともあるそうで、話を聞いただけで羨ましくなりました。酒井さんの趣味全開な南房総の拠点には、毎週金曜の夜に来て、月曜の夜に帰るという二拠点生活をずっと続けています。

【パラソルの向こう側に脱衣所とサウナ、右手に露天風呂が】

【パラソルの向こう側に脱衣所とサウナ、右手に露天風呂が】

娘さんは友だちと一緒に泊まりに来たことがありますが、奥さんは敢えて酒井さんの趣味スペースに足を踏み入れないそうです。この家を購入したときは娘さんが1人暮らしをしていたときで「3人家族なのに何で3軒家があるわけ!?」と奥さんに言われたことも。現在は仕事をリタイアしているので、家にずっといられるより「行って来れば」と送り出してくれるのだとか。
 

「家があって、会社があって、もう1カ所1人になれる場所がある方がいいっていう、“サードプレイス”という言葉があるけど、ここは俺にとって本当にサードプレイスだね」と、酒井さんは話しました。

酒井さん流南房総二拠点ライフ

この場所を手に入れて一番にしたことは、壁の一面にスクリーン用の白ペンキを塗って、プロジェクターで壁に映像を映せるようにしたこと。海に入ったあとは楽器を弾いたり料理をしたり。

【ワイングラス片手に料理をする酒井さん】

【ワイングラス片手に料理をする酒井さん】

御宿の家をシェアしていた仲間のうち4組は、近所に拠点を購入しています。なので、学生時代と変わらずみんなで集まってバーベキューをしたり、楽器で演奏してライブの雰囲気を楽しんだり、サイクリングに行ったりしながら南房総での時間を楽しんでいます。

二拠点を考えている人へのアドバイス

「多分俺の周りもそうなんだけど、結局家族との関係なんだよな。夫婦で行ったり来たりしてる人もいれば俺みたいに家庭は東京で、南房総は1人で楽しむところっていう。そういう兼ね合いをうまくやらないと、家庭不和の原因になりますよね。大げさにいうと運用方法だよな。どう運用していくのかだと思う。1人だったら別だけど、絶対家族の協力がないとできないから」
 

 

(※本記事は、2025年12月に取材・撮影を行った際の情報をもとにしています)

ページトップへスクロールするボタン